大分市議会議員

甲斐たかゆき

2022年度3月議会の一般質問 市道法面の維持・管理について

2022.03.26

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2022年度 第1回定例会・3月議会 一般質問原稿  最終案

3月17日(木)4番目(全体としても4番目)

お疲れさまです。22番、社会民主クラブの甲斐高之です。発言通告書に従って、一問一答方式で質問しますので、よろしくお願いいたします。

 

はじめに、

1.市道法面の維持・管理について取り上げます。

 

1月22日の午前1時8分ごろに発生した地震には驚かされました。就寝していた夜中でしたので、スマホの緊急地震速報と揺れが同時にきたような感覚で目が覚めましたが、その場で揺れが収まるのを待つことしかできませんでした。このままどうかなるのではないかと恐怖すら感じました。短時間だったのでしょうがすごく長い時間に思えました。あの夜は、同じような思いをした方も多かったのではないでしょうか。しばらくして震度5強だったことを知り、平成28年(2016年)4月に発生した熊本地震を思い出しました。当時、大分は震度5弱でしたが、その後に何度も余震があり、震度の数値以上に地震の怖さを感じたとともに、事前の備えの大切さを再認識したできごとではなかったでしょうか。今回の地震で改めて各自ができる事前の備えとともに、行政としての防災や減災対策について、特に南海トラフ地震への備えを考えることにつながればと思っています。さまざまな防災・減災対策がありますが、今回は、市道に隣接した法面の対策にしぼって質問を行います。これは、昨年の夏頃に見かけた大分県立情報科学高等学校がある市道・片島松岡バイパス線の法面修繕工事がきっかけです。以前から大きくそして急な法面が気になっていた場所でした。樹木におおわれていましたので法面の状態が直接見えないのも気がかりの一因でした。県立高校のすぐ下に面していて、隣接しているのが市道とはいえ、どこが修繕工事をするのだろうという疑問から、車を近くに停めて工事の案内掲示板を確認したところ、大分市が工事していることがわかり、早速担当課に問い合わせ確認をしました。民有地の法面であれば所有者が管理することは知っていましたが、この場所は大分市が管理する法面ということがわかり、それ以来、この修繕工事を注視していました。以前からこの市道は大分スポーツ公園と大分市内各所をつなぐ、災害時の物流の基点となる道路だと伺っていましたので、ここで法面の崩落等があれば、その後の災害復旧にも大きな影響が出てきます。法面の崩落等は周辺の道路や家屋等に大きな被害を与える可能性があります。その場所の被害だけではなく、周辺環境に長期間にわたり影響をおよぼすおそれのある法面の対策は非常に重要だと考えています。

 

そこで質問します。

日向灘の地震後の確認も含めて、市道に隣接した法面の維持管理状況をお聞かせください。

 

☆ご答弁ありがとうございます。

熊本地震後に282箇所におよぶ緊急点検を行い、その結果を受け、これまで順次修繕工事等を行っていることなどがわかりました。また、今回の地震後にも修繕工事が必要な法面14カ所を早期に点検確認し、異常等が確認されておらず、安心しました。

 

今後もまずは点検を実施し、必要があれば修繕工事を行うという流れになると思いますが、これら一連の・・・

具体的な点検・修繕の状況をお聞かせください。

 

☆ご答弁ありがとうございます。

慎重に診断を行っていること、その診断に応じて、これまでにも丹生地区の流通業務団地内や大分情報科学高等学校付近の法面の修繕工事が実施されたことなどがわかりました。

 

さて、冒頭でも述べたように、日常生活での安心安全を確保することは当然のことながら、災害時の物流などに支障をきたさないようにする上でも、市内に数多く存在する市道法面の対策は重要です。修繕工事には、その場所に応じた対策をしなければなりませんし、かなり大がかりな予算と期間がかかる場合が多いのではないかと予想されます。また、先日の地震のように、いつ自然災害が発生するかわかりません。さらに今最も心配されているのが、南海トラフ地震です。そのためにも少しでも早期に、そして確実な対策が望まれるところですが、限られた予算の中では一気に修繕工事が進むわけでもないのも事実だと思います。ですから、早期に対策が必要だと思われる箇所の再抽出、そして優先順位をつけ、修繕工事のコストの平準化で他の施策への影響をできる限り小さくしながら、確実に対策を進めていっていただきたいと願っています。

 

そこで質問します。

③今後の修繕工事の実施方針などをお聞かせください。

 

☆ご答弁ありがとうございます。

まずは修繕が必要な14箇所の計画的な工事の実施に向けて、法面の再点検を行うこと、修繕工事については、国の交付金を活用し安全な市道の維持管理を行っていくことがわかりました。

 

先ほどご答弁の中で説明された「道路土工構造物点検要領」は、熊本地震後の平成29年(2017年)8月に国土交通省道路局より熊本地震の被害状況等を考慮して示されたものと伺っています。当時の状況を考えると、国においても法面などの道路土構造物の対策が急務であるとの認識を持たれていたのだと感じます。また、この「点検要領」では、構造物の重要度に応じて、具体的な点検の着眼点などが示されています。この着眼点に沿って、先ほどおっしゃったような再点検、そして再診断を行うことに、この事業の重要性を感じました。これらの対応に改めて感謝申し上げますとともに進捗を見守っていきます。

 

これまでご答弁していたたいたことをできるだけ早期に、そして着実に進めていくためには、これまで以上に国や県との連携が必要だと思います。その連携の基礎となるのが、国や県での予算の増額です。大分市単独では、大規模な法面修繕工事等は当然のことながら取り組めません。地方財政の実情をこれからも県や国に訴え、予算の増額を要望します。また、今回は市道に隣接している法面の対策について質問を行いましたが、法面にはさまざまな事情がある場所が数多く存在します。特に周辺地域においては、道路に隣接する管理者が不明の民有地の法面が風水害も含めて、度々危険箇所として指摘されています。現在の制度上は確かに個人の責任となる箇所ではありますが、所有者が不明であったり、膨大な費用となったりするため、対策が講じられていないのも事実です。今後の課題として、周辺住民の生活上、重要な道路に隣接する管理者が不明の民有地の法面への対策が防災・減災対策上、必要であり、法整備も含めて調査研究する必要があることを指摘し、次の質問に移ります。

 

 


答弁については、後日(5月末予定)、大分市議会ホームページの「会議録検索」のページにて確認することができます。どうぞお立ち寄りください。