大分市議会議員

甲斐たかゆき

視察報告書「特殊詐欺対策」について

2019.07.24

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【視察期間】 2019年7月23日(火)~7月24日(水)

【視察先】  東京都荒川区

【調査項目】 特殊詐欺被害対策について

【調査概要及び所感】

東京都内全域では、特殊詐欺被害は増加傾向にあるものの、荒川区では、現在、特殊詐欺被害の発生件数、被害金額とも23区内で最小となっていました(平成30年度中、発生件数38件、被害金額5,794万円)。詐欺の手口としては、①オレオレ詐欺②架空請求詐欺③還付金詐欺の3点があるが、近年は、還付金詐欺が増加傾向にあるとのことでした。今後注意が必要な新たな手口として、④元号改元に乗じた新型オレオレ詐欺⑤アポ電強盗が報告されました。

荒川区の特徴的な対策として、(1)防災無線を活用した「受け子撃退作戦」、(2)電話自動通話録音機の無料設置、(3)65歳以上の単身世帯への戸別訪問の3点が上げられます。

(1)は、荒川区独自の判断で防災無線を活用することを決め、「この地域に振り込め詐欺の不審電話がかかってきていますのでご注意ください」などと放送し、「受け子」と呼ばれる役割の不審者の撃退に効果を上げているとのことでした。(3)では、1台3000円の録音機+設置費用3000円の合計6000円を無料として、設置も業者に委託。当初3000台分を予算確保(1800万円)し、設置した世帯での被害ゼロの成果を出したとのことでした。

荒川区での取り組みの数々を掲載した「安心・安全かわら版」(カラー刷り)を年4回発行。また数々の防犯グッズ(啓発資材)も自作自演での作製とのことでした。これら対策の多くは、犯罪被害の現場を直接知る警察からの出向職員の声や意見が大きく活かされた取り組みとのことでした。人事交流といった点でも参考になる事例だと感じました。大分市の特殊詐欺被害対策にも大いに活かしていける事業の数々でした。特に啓発に関しては、早期に参考にして実践していってほしいです。