大分市議会議員

甲斐たかゆき

2019年度7月議会の一般質問(1)子どもの安全対策について

2019.08.01

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2019年度 第2回定例会・6&7月議会 一般質問原稿・傍聴者用

7月 8日(月)  7番目

1.子どもの安全対策について

幼稚園や保育園での「園外活動」への対応について

まず冒頭に、本年、5月8日に大津市で発生した交通事故をはじめとして、近年各地で発生している事故や事件で被害にあわれたみなさまに、心よりお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられました方々のご冥福を改めてお祈り申し上げます。

事故からしばらくの間、事故現場近くの献花台には、花やお菓子、ぬいぐるみなどがたくさん置かれている映像が度々映し出されていました。事故から2ヶ月あまり経った今でも、関連する報道がされています。このことは、今回の事故が人々に与えた悲しみと衝撃の大きさを物語っていると思います。近年、多発する自然災害への対策とともに、日常の生活、身近な暮らしの中で、特に子どもたちのいのちと安全を守ることを願い、今回、子どもの安全対策について質問させていただきます。

散歩中の保育園児の列に車が突っ込み、園児ら16人が死傷した大津市での事故は、自動車が歩行者への凶器となる危うさを改めて示しました。大津市のこの保育園には園庭がなく、普段から保育士が引率して琵琶湖の湖畔へ散歩に出かけていました。散歩、つまりは「園外活動」を行っていたわけです。園の近くに横断歩道はなく、湖畔に出かけるには数百メートル離れた交通量の多いT字の県道交差点を渡る必要があったわけです。ここ大分市でも園庭がせまい施設がたくさんあります。道路状況が似通った箇所も数多く存在します。そのような中、多くの園で、それぞれの事情をかかえながら苦労と工夫を重ねて活動しています。子どもたちが身近な自然や地域の方々の生活にふれるのは大切な活動、教育の一環だと思います。国もその重要性を指摘した上で、安全に配慮しつつ、引き続き散歩などの「園外活動」に積極的に取り組むよう呼びかけています。しかしながら、幼稚園や保育園の職員や関係者の努力、配慮だけでは、防ぎようのない現実も、今の日本の道路状況にはあると考えます。

 

それでは質問します。今回の事故を受けて、幼稚園や保育園での「園外活動」などに対して、どのような対応をしたのか、お聞かせください。

 

☆ 注意喚起をうながすだけではなく、緊急安全点検も行ってきたこと、施設長さんが集まる会でも研修を行うなどの対応を取られたことがわかりました。今後とも子どもたちの安心、安全のために現場と一体となった対応をよろしくお願いいたします。

 

子どもが巻き込まれた事故としては、2012年に京都府亀岡市で集団登校中の小学生たちが死傷した事故などを受けて、全国約2万の公立小学校などの通学路の緊急点検が行われたと記憶しています。今回、改めて調べ直してみると、全国で7万4千を超える危険箇所が確認され、その大半で路肩の拡幅やガードレールの設置、信号機や横断歩道の新設などの対策が順次実施されたことがわかりました。しかし当時、幼稚園や保育園の通園や散歩のコースは対象外であったことも知りました。今回、国は、施設外活動つまりは「園外活動」の経路の安全確認を徹底するよう自治体に求めました。先ほどのご答弁にあった「緊急安全点検」も、この取り組みの一環だと思います。しかしながら、先ほども申し上げましたが、幼稚園や保育園の職員や関係者の点検、配慮、努力だけでは、防ぎようのない道路状況にあると思います。今後も「注意喚起」にとどまらず、保育園の周辺地域住民の声を広く集めたり、小学校などの通学路情報と連動したりと、行政として積極的かつ対策予算をともなった支援を行っていくことを改めて要望します。

 

登下校時の安全確保について

それでは、次に教育委員会に質問します。登下校時の安全確保について、子どもたちへの指導を学校はどのように行っているのか、お聞かせください。

 

☆ 交通安全教育を中心に計画的に取り組まれていること、また特に中学校において自転車通学生の集会の実施、ヘルメット着用の徹底や自転車保険への加入を呼びかけるなど、指導や取り組みが、児童生徒や地域の実態に応じて指導されていることがわかり、安心しました。また、近年の様々な事件事故を受けて、交通安全指導だけではなく、不審者への対応についても取り組まれ、私も現職時代に指導していました「いかのおすし」を継続して合言葉にし、指導されていることに、指導の継続の大切さを改めて実感しました。

 

私も小学校教員として現場に勤めていたときには、年間計画に基づいて、交通安全などについて日々の授業や集会活動、登下校時など様々な場面で指導していましたし、子どもたちとともに「安全」について機会あるごとに考えてきました。それら体験の中で感じたことも含めていくつか述べさせていただきます。まず、通学路の安全点検についてです。とある勤務校では、年2回の点検の内(当時は、年2回の点検でした)、1回は、教職員が担当地区を分担して通学路の安全点検を行っていました。もう1回分は、地区の子ども会担当の保護者の方々にも加わっていただき、教職員、保護者の方々それぞれの目で点検を行っていました。その地域に住んでいる保護者の方々ですので、点検時だけでは発見することのできないことや児童はすでに卒業している住民の方々からの声、過去の経過なども点検調査で上がってきました。当時、このように複数の目で見ることで、子どもたちの安全が守られていくのだと強く感じたことを覚えています。次に、複数の目で点検することともに重要だと感じたのが、道路などの安全対策に関する専門的な視点を持った方々や関係機関との連携です。生徒指導担当という学校内での役目を担った際に、交通指導員さんや警察の方とお話しする機会が増え、その見識と日常の活動から得ている情報量に驚いたことも数多くありました。

そこで質問します。通学路の安全対策について、本市教育委員会や学校は、どのようなことに取り組んでいるのか、お聞かせください。

 

☆ 通学路の安全点検にともない、点検したことがその後どのように活かされているのか、一連の流れがわかりました。特に、「交通問題協議会」では、多くの関係機関、専門的な視点を持たれた方々などと協議していく中で、その後の改善や改修、新設など、実際の対策が取られていることがわかり、安心しました。この交通問題協議会だけではなく、現在も地域ごとに関係機関が合同で行っている点検をできるだけ増やしたり、高齢化などで担い手不足が心配される交通指導員さんや校区の見守りボランティアの方々への対策を講じたりといった継続した対応を要望し、次の質問にうつります。

 

市道における子どもの安全確保について

それでは、次に土木建築部に質問します。市道における子どもの安全確保について、現状の対策をお聞かせください。

 

☆ ガードパイプやガードレールなど、道路状況などを考慮して対策を講じていることがわかりました。今回の質問をするにあたり、現地調査や意見交換などをさせていただく中で、ガードパイプと呼ばれるものの中には、転落防止柵、車輌防護柵、横断防止柵と言われるものがあり、それぞれの目的に応じて、強度や形状に違いがあること、設置するにあたり、どのような柵が適切なのかなどを検討していることを知りました。それ以来、運転中や歩行中にガードパイプを見て、その場所の道路状況を想像することが増えました。今後とも地域、その場の状況に応じた対策をお願いします。

 

話しは、大津市の事故に戻りますが、あの事故現場では、車道と歩道の間には、一部に縁石があるだけだったわけですが、滋賀県が事故後に円筒形の緩衝具を設置したと報道されていました。早期にできる対策として評価しつつも、周辺の横断歩道も含めて対策が十分かどうかを警察とともに検証する必要性も報じていました。

 

そこで質問します。今回の事故などを受けての危険箇所への対応をどのようにされているか、お聞かせください。

 

☆ 子どもたちが安心して歩くことのできる環境の整備は、高齢者や障がいをもたれた方をはじめ、だれもが安全に移動できる街づくりにつながると思います。交通安全に対する発想や交通に関する文化を歩行者優先へと転換していくことが、私たち大人に問われていると思います。

 

最後に要望です。現在、国が導入を検討している「キッズゾーン」について、早期に対応ができるように、交通管理者(警察署)、道路管理者(国、県、市など自治体)などの関係機関と連携されて、積極的に情報を収集するとともに、「キッズゾーン」導入時には、これまでの「スクールゾーン」や「ゾーン30」などとの関連性も含めて、早期に対策が取れる体制づくりを要望します。

それでは、次の質問にうつります。