大分市議会議員

甲斐たかゆき

2018年度12月議会の一般質問(2)公民館の役割について

2018.12.07

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2018年度 第4回定例会・12月議会 一般質問 甲斐高之 資料

12月7日(金)8番目

 

2.公民館の役割について

①公民館の地域における役割について

 現在の公民館は、「社会教育法」によって立場が明確にされ、同法第20条には公民館の目的が定めてられています。その中で、日常生活に密着した総合的な社会教育施設である公民館は、住民の知性、感性、徳性、健康を基底として目的が達せられるべきと述べられています。過去をさかのぼり公民館誕生の経過を調べてみますと、公民館は、太平洋戦争の敗戦による混乱と荒廃の中で、郷土復興を掲げ、官と民が一体となってつくり出した社会教育施設で、教育の民主化、文化国家の建設という形で生まれたと記されていました。戦前の社会教育の反省に立ち、学校とは別の「独自の施設」で「大人になっても学べる場」として公民館は誕生したのです。

 近年、公民館は、社会のニーズの変化に対応しながら、生涯学習振興の中核として発展してきていると認識しています。また学校や家庭及び地域社会との連携も果たしながら、地域での役割が高まってきていると思います。

 

そこで質問します。地区・校区・自治公民館の地域における役割などの基本的な見解をお聞かせください。

 

私自身、教職員時代に、幾度も地区公民館や校区公民館で出前授業や地域教材を相談する方々を紹介していただきました。公民館行事と連携させていただき、子どもたちの体験の幅が広がったこともありました。また、地域の方々にとっては、地区公民館で開かれる各種講座や行事などは「学びたいことを学べる場」として貴重な機会となっています。

 

そこで質問します。最近の地区公民館での講座の数や利用者などの公民館事業の実施状況についてお聞かせください。

 

②公民館活動の維持、拡充について

 先程のご答弁などを通して、公民館の歴史や役割について共通認識ができたと感じています。今一度、歴史を振り返ってみますと、公民館誕生の契機となった昭和21年7月の文部次官通牒の中には「公民館の設置運営について」ふれている部分があり、そこには人権の尊重・相互尊重・傾聴という「人権の視点」が位置付けられていました。これは、世界人権宣言が採択された昭和23年12月よりも早い段階で「人権の視点」が位置付けられていたということで、注目すべきことだと評価されていました。また、昭和42年7月、全国公民館連合会が発表した「公民館のあるべき姿と今日的指標」の中には、公民館活動そのものが、「人権教育」として機能すべきであると述べられています。このように公民館は、昔から「人権教育の拠点」としても地域住民を支えてきたと言えます。

 

そこで質問します。公民館での講座や活動を今後も維持・拡充していくための予算の確保について本市の見解をお聞かせください。

 

社会教育施設としての機能、人権・同和教育の啓発の場など、多岐にわたる公民館の有している役割と責任を今後とも維持していけるように、維持だけではなく、拡充していけるような安定した予算の確保と地域の実情に応じた予算の弾力的な運用を改めて要望し、続きの質問にうつります。

 

③公民館活動の担い手となる人材育成について

 公民館で行われる事業として、先程ご答弁いただいた講座などの学習の機会提供があります。さらに施設の開放、住民の自主的利用の促進も大切な視点だと思います。ここで配慮しなければならないことに「学習権」があると思います。質の高い事業を提供することはもちろん、「学習したいときに学習したい人が学習できる」ための条件整備や「学習したくても学習できない人」への対応も今後重要になると思われます。

 

そこで質問します。今後ますます地域での活動の拠点となる公民館において、そこでの活動の担い手となる公民館職員の人材の育成に関する本市の見解をお聞かせください。

これからの教育現場での人員確保とも関連して、地区公民館などでの計画的な育成、5年先10年先を見通した人材の育成がますます重要になってくると思います。特に公民館活動において、社会教育の担い手となる市職員の育成に対しても今後ご検討されることを強く要望し、次の質問にうつります。