2018年度 第4回定例会・12月議会 一般質問 甲斐高之 資料
12月7日(金)8番目
3.交通政策について
①JR九州への働きかけについて
JR九州が進める大分市内8駅での「スマートサポートステーション」導入、いわゆる駅の無人化計画が、ついに豊肥本線の大分大学前駅と敷戸駅の両駅で12月1日より強行されました。駅員さんが不在となり、窓口のシャッターが閉まった大分大学前駅の様子も報道されました。当面は、移行期間の対応として、2週間ほど駅には係員さんが配置されているということです。しかしその後、利用者が多いのではと予想される年末・年始から無人化となるのです。改めて想像してみてください。監視カメラやインターホンで安全が保たれますか。安心して利用し続けることができますか。そんな思いや声を共有し抗議するために県内の障がい者団体が中心となり、駅員さんがいなくなることへの不安や不便さ、危険性を訴える抗議集会を9月24日に引き続いて11月27日にも行いました。その間、駅の無人化の方針撤回を求める7万3千人分を越える反対署名をJR九州に提出もしています。昨年の第4回定例会でも、JR九州の公共交通としての役割や社会的責任について質問し、担当課からは「高齢者や障がい者を含めたすべての旅客に対し、安全で安定した輸送を提供するという役割とその社会的責任を担っている」とご答弁をいただきました。しかしながらこれまでの間、鉄道事業社が行ってきたことは、「安全」とはかけ離れた行為であり、いまだに不安な声や反対の意見が出ていることからも明らかです。
◎そこで質問します。利用者や周辺住民から「スマート・サポート・ステーション」、駅の無人化に反対する意見や不安の声が引き続き上がっているが、これら意見や声に対して、公共交通の在り方をともに考える立場にあると考えられる行政として、これまでどのように対応し、運営主体であるJR九州に対して働きかけていくのか見解をお聞かせください。
公共交通の責任ある在り方をともに考える立場にある行政として、JR九州に対して今後とも働きかけを継続していっていただくことを改めて要望し、次のことを質問します。
②「合理的配慮」について
◎先ほどと同様に、1年前の定例会で、「合理的配慮」についての見解を質問した際に、『「障害者差別解消法」』に基づく「合理的配慮」として、障がい者の求めに応じた乗降の介助等にできる限り努めることが必要であると認識しております』とのご答弁がありましたが、現在までの対応状況についてお聞かせください。
安全性や利便性の向上と言葉では簡単に言えますが、特に安全に対しては、もうこれで大丈夫だという限度はないものと思います。利用される方の状態やその場の状況で変動していくものだと思います。今後とも、障がい者や高齢者など様々な立場の方からの声をつないでいく、支えていく役割を行政には指導力を持って、積極的かつ継続的に、果たしていっていただきたいと強く願っています。
③バリアフリー化の進捗状況について
駅の無人化とともに、鉄道交通を利用する上で、不安があるのが、バリアフリー化されていない駅の存在です。だれもが安心して利用できる駅が地域住民の切実な願いです。特に1日当たりの平均利用者数が3000人未満の駅に対するバリアフリー化対策の遅れが、ますます利用者を減少させる一因となっている現実は見過ごせない事実だと思います。
◎そこで質問します。大分市内の駅に対するバリアフリー化の進捗状況をお聞かせください。
平均利用者数3000人未満の駅に対するバリアフリー化対策といった国の方針拡大を待っていたのでは、地方の公共交通は、ますます減退していきます。現在すすめている「大分市まちづくり地域ビジョン」の中にも、地域の駅を中心としたまちづくりや周辺の整備を検討している地域がいくつもあります。このような要望やビジョンと連携し、大分市独自の発想を期待します。駅に人がいるからこそ安心・安全が保たれ、さらにそこに人が集い、笑顔があふれていくと思います。同じ「SSS(スリーS)」ならば「スマイル・サポート・ステーション」が、駅に求められている本来の姿と考えます。今後ともバリアフリー化の促進を図っていっていただくことを強く要望し、私の質問を終わります。