大分市議会議員

甲斐たかゆき

2019年度9月議会の一般質問(2)防災訓練や避難所について

2019.09.06

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2019年度 第3回定例会・9月議会 一般質問原稿

9月6日(金) 1番目(全体としては 1番)

2.「防災訓練」や「避難所」のあり方について

「災害対応型バルクユニット」の活用方針

まず質問に入る前に、8月28日、九州北部を襲った記録的な豪雨により被災されたみなさまに、心よりお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられました方々のご冥福を改めてお祈り申し上げます。また今回は浸水被害だけではなく、佐賀県大町町(おおまちちょう)では、油の流出事故も重なり、人的被害だけではなく、環境への影響が心配される事態となっていることに対して、少しでも早い対策が講じられることを祈るばかりであります。

さて、昨年度、行われた「大分市立中学校空調設備整備PFI事業」や本年度、早期に対応していただいた「大分市立小学校空調設備整備PFI事業」の完了により、王子中学校や判田中学校など中学校6校、坂ノ市小学校や明野北小学校など小学校7校の合計13校が防災拠点校となりました。この防災拠点校には、「災害対応型バルクユニット」が設置され、指定避難所としての機能を高めるとともに、「電源自立型GHPガスエンジンヒートポンプ」が導入され、災害時に空調及び電源の確保が可能になったとうかがっています。またバルクユニットに接続することで、大型ガスコンロやガス炊飯器が使用できるともうかがっています。昨年、判田中学校に設置されたバルクユニットを見た地域住民の方々から「実際に避難所が開設された時には、どのように活用するのか」、「訓練みたいなことはしないのか」など多くの期待あふれる声をいただきました。近くに設置された倉庫にも興味関心が高く、「どんな機材が入っているのか」など質問をされました。昨今の気象状況や想定されている南海トラフ地震を考えたときに、誰しもが「避難所生活」を連想するようになってきました。今回の「災害対応型バルクユニット」の設置が完了したというタイミングで、実際の機材の紹介も兼ねて、防災拠点校それぞれの地域で、校区自主防災組織との合同訓練などを行政側が主体となって計画することは、市民の防災意識を高める意味でも大切な、そしてまたとない機会であると思います。

 

それでは質問します。この2年間で防災拠点校に整備された「災害対応型バルクユニット」について、それぞれの地域の防災組織との合同訓練など、今後の活用方針について、見解をお聞かせください。

 

☆今後は、まず関連する機材を搬入すること・・・などがわかりました。

また、順次段階的に、地域の防災組織との連携も視野に入れていることがわかり、心強く思いました。今後は、計画にそった機材の搬入とともに、「災害対応型バルクユニット」の活用方針を早期に策定されて、地域と連携した防災訓練の実施に向けた具体的な検討を改めて要望します。

 

指定避難所となる学校の体育館のトイレについて

トイレ環境については、私自身もこれまで避難所の生活環境改善に関連して2017年第4回定例会や2018年第4回定例会などで取り上げてきました。学校のトイレ改修についても、他の議員さんがこれまで何度か質問してきました。それら質問に対して、学校の校舎にあるトイレについては、校舎改築や長寿命化対策工事などと連動して改修したり、単独での改修をしたりしてきていることが答弁されてきたと認識しています。またその際の「便器の洋式化」については、「和式を一部残す」という見解も示されたと記憶しています。

学校の体育館は、校舎とは違い地域の指定避難所となっているところが多くあります。また日頃より社会体育活動や地域団体の活動、地域の行事などで使用されている施設でもあります。つまり学校の体育館は、主としては子どもたちの施設であるのですが、地域の方々の施設でもあるという二面性をもった特別な施設だと思っています。ですから、学校の体育館のトイレについては、校舎内のトイレ以上に、使用する人のこと、つまり幅広い年齢層の方々が使用するトイレであるという認識を改めてもつ必要があると思います。

 

それでは質問します。災害時に指定避難所となる学校の体育館のトイレ改修において、避難してくる方々の身体状況を考えると、すべて「洋式化」してもいいのではないかと思われるが、見解をお聞かせください。

 

☆体育館改修時にトイレの洋式化が図られていること・・・などがわかりました。

先ほども述べたように、体育館のトイレは幅広い年齢層の方々が使用すること、体育館の改修や改築工事に合わせていたのでは、「洋式化」なども含めてトイレの改修が遅れることなどが予想されます。また、災害発生時には物資搬入に支障が出る場合が想定されます。その場合には簡易トイレなどの到着が遅れることとなります。だからこそ、初期対応が重要であり、既存の施設のトイレ改修などを早期に行っておくことが必要であると考えます。現在、防災局と行っているとうかがっています連絡協議の場などで、市民ニーズなども踏まえた避難所の生活環境改善策の一つとして、トイレの改修などについても調査研究していくことを要望します。またこれまでの予算の枠組みの変更、つまりは学校施設としての扱いではなく、全市的な対応として必要な対策であるといった大きな枠組みでの予算編成なども視野に入れ、検討していっていただきたいと、付け加えて要望します。

 

学校体育館へのエアコン設置について

この質問の始めの方でも述べました「大分市立中学校空調設備整備PFI事業」や「大分市立小学校空調設備整備PFI事業」の完了を心から喜んでいる一人です。特に小学校の普通教室へのエアコン設置工事につきましては、たくさんの市民からの声を反映させる形で、事業者の方々の多大なご努力もあり、当初の計画をかなり早め、工期の短縮を果たしていただきました。本市教育委員会の英断と関係者のみなさまのご尽力に改めて敬意を称したいと思います。子どもたちや地域の方々からもたくさんの喜びの声を聞きました。エアコンを使用している教室で、暑さを気にせずに笑顔いっぱいで授業を受けている子どもたちを見ました。こちらまで自然と笑顔になりました。ありがとうございました。

さて、今回の質問は、「避難所のあり方」についてですので、先ほどのトイレと同じく、指定避難所となる学校の体育館について論じたいと思います。まずは子どもたちが日常的に使用している教室への暑さ対策が急務だと思っています。ですが、学校の体育館は、先ほどのトイレ改修のところでも指摘したとおり、地域の方々が避難所として利用する施設でもあります。近年の暑さはもちろんのこと、熊本地震の際にも、長期に及ぶ避難所生活の際の体育館の環境の過酷さが話題となりました。大分市でも小・中学校の体育館を避難所として指定しており、災害時の利用を想定し機能の向上をはかる必要が早期にあると思われます。避難所となる体育館の暑さ対策は急務です。体育館は大空間であり、もともと空調設備を設置することが想定されて建設されたものは、ほとんどなく、どのような設備を、どのように設置するのか、費用がどのくらい必要なのかなど、課題が多くあることも事実です。しかし近年、東京都や大阪府箕面市(みのおし)など、いくつかの自治体で、国の緊急防災・減災事業債を活用するなどの工夫で、体育館へのエアコン設置を実施した事例を知りました。

 

そこで質問します。避難所となる学校体育館へのエアコン設置について、本市の見解をお聞かせください。

 

☆設置が難しいという、現段階での本市の見解はわかりました。

しかし、あくまでも現段階の見解だと思っています。文部科学省が災害時の避難所に指定されている全国の公立学校の防災機能に関する調査を行い、結果を発表したとうかがっています。調査をしたということは、今後、何らかの対策を国も行ってくるものと思われます。その際には、いち早く対応できるように体育館へのエアコンなどの設置に向けての調査研究を今後ぜひ進めて欲しいと願っています。まずは東京都や大阪府箕面市などの先行実施都市の調査研究を強く要望します。

 

④暑さ対策について

体育館の暑さ対策として、現段階でエアコンの設置が難しいのであれば、何かできることから始めなければ、避難所となる体育館での生活環境の改善は図れません。このままでは、被災され避難を余儀なくされた方々に「暑さ」そして「熱中症への不安」など、さらなるストレスをかけることになってしまいます。本市がこれまでにも対策として講じていることのほかに、大規模な改修ではなくてもできることはさまざまあると思います。この点は、昨年の第3回定例会でも要望として取り上げましたが、避難所の風通しを良くするために網戸の設置を進めていくことが有効だと思います。現在の体育館では、網戸が設置されていないところがまだまだ多いと思われます。特に夜間、虫が入ってくるので窓が開けられないため大型扇風機が持ち込まれても風通しがよくない状態が想定されます。

 

そこで質問します。暑さ対策はもちろんのこと、感染症予防のためにも、体育館への網戸の設置などが有効と思われるが、見解をお聞かせください。

 

☆大型扇風機や換気扇の導入も含めて、今後ともさまざまな対策の調査研究をおこなっていくことを改めて要望します。

 

これで、質問を終わります。